仕事の効率が上がる!会社の業績が上がる!マンガでわかる すごい掃除(今村暁 著)を読みました。きっかけは自分のデスク周りの乱雑さを何とかしなければいけないと常日頃から思っていたからで、「仕事の効率が上がる」「すごい掃除」という字面に惹かれたからだと思います。
僕自身、自分のデスク周りをキレイにしておくことは大事だということは理解しているのですが、「職場の掃除に取り組む」みたいな考え方はあまり好きではありません。職場の周りをみんなで掃除する「ボランティア清掃」とか寒いと思っていました。「会社の周りの掃除をする時間があるなら自宅の周りを掃除したい」、「会社の一番の社会貢献は利益を上げて税金を納めること」だと本気で考えているので、数百人が1時間掃除に費やす(勤務時間外なので自由ではありますが)のはもったいないなぁと本気で考えていました。
ですが本書を読んで、必ずしも無駄ではないのかなと思うようになりました。掃除による物理的な環境改善もそうなのですが、掃除を通じて「心を整える」ことや「モチベーションが上がる」ことによる精神的にポジティブな作用があるということを知れたからです。
それ以降、僕は隙間時間を見つけては周りの整理整頓やちょっとした掃除を行うことを心がけています。仕事に応用できる重要な行動規範や考え方を学ぶことが出来て、非常にいい本だと思いました。
本書の概要
本書では、地方の水産加工会社を継いだ主人公が、「掃除道」の実践を通じて社員のモチベーションアップや本人のリーダーとしての自立を促し、業績改善を達成していく過程をマンガで描いています。
途中「先輩企業」として掃除道により業績を改善した実際の企業のエピソードを挟みながら、「掃除」をツールとしてビジネスにおいても重要な行動や考え方を学ぶことができる構成となっています。
掃除から学ぶリーダーシップ
本編では10社の「先輩企業」が取り上げられており、経営面や従業員のモチベーションに対する悩みを抱いていました。しかし掃除をきっかけとしてそのような職場の環境改善を実現し、経営にもポジティブな作用があった、というエピソードが紹介されています。
掃除に関する事例から抽象化して、ビジネス全般において応用できる考え方に展開されていて、ハッとさせられることも多かったです。いくつか印象に残っている言葉を挙げると以下のようなものがあります。
「改革はたった一人から始まる」
「リーダーは率先垂範しているか」
「抵抗勢力は現れる、確率は100%」
「2-6-2の法則(シンパ2割、アンチ2割、中立6割)」
「本当の抵抗勢力は自分の心」
「自ら手、足、口を動かそう」
リーダーとして率先垂範を心がけたい
本書を通じて、「率先垂範」という言葉の意味を改めて考えるようになりました。そして自分と自分の周りについて思いを巡らせたとき、リーダーとして反省すべき点が多くあることに気づかされました。
まず「率先垂範」が圧倒的にできていないことが挙げられます。それは整理整頓、デスク周りの掃除に関することに限らず、仕事に関する詰めの甘さという点についてです。
「神は細部に宿る」という言葉自体はもちろん知っています。一方で「仕事はスピード、期限を守ることが大事で、60%でいいから仕上げることを最優先とするべき」という考え方にも大きく賛同します。これらのバランスについて、 自分としては自在に匙加減を調整できると思っていたのですが、 ふと振り返ってみると、この辺りの考え方が大きく偏っていたような気がしてしまいました。
そして周りに目を向けたとき、そして周りにリーダーとしての自分がどう映っているかを想像すると、即座に自分の態度を改めるべきだという考えに至りました。曖昧で申し訳ないですが、リーダーとして「率先垂範」することや、「リーダーぐらいは理想、綺麗事を語る」という見せ方って大事だなと思いました。
心がけていること
本書を読んで、自分の周りの掃除や整理整頓を気にすることが1メンバーとしてだけでなく、リーダーとしても重要な姿勢となることを理解しました。それを感じてから、僕は職場において隙間時間での整理整頓に気を遣うようになりました。
具体的には「会社について、PCを起動してから立ち上がるまでの数分間でデスク周りの整理整頓(引き出しの片づけ)」や、「デスクワークの小休止の時間において、散歩がてら作業場のちょっとした掃除や整頓を行う」ことなどです。
デスクワークが続く状態では立って手足を動かすことは気分転換にもなるし、そこでメンバーと軽く話が出来てコミュニケーションの場ともなります。またリーダーが整理整頓に気を遣うことを示すことで、それを見た一部の人がこれまでよりも少しだけ気を付けてくれるようになることが期待できるため、職場全体の環境改善に繋がります。そんな打算的な考えもあっての行動にはなってしまいますが、あくまでさり気なく見せたいものです。
まとめ
リーダーは仕事の中身だけでなくその姿勢も見られていて、それらはチームメンバーや周りに大きな影響を与えるものとなります。
掃除は物理的な職場の環境改善につながるし、その姿を見せることでチームにいい影響を与えることが出来る(と思う)のでリーダーは率先垂範して掃除、整理整頓に取り組むのがいいと思います。