リーダーは常に周りを見よう

リーダーとして試行錯誤の日々

いたづらに社歴を重ねた結果、20人いるチームの中で上から数えて4番目ぐらいの社歴となってしまいました。特に能力的に秀でているわけではないと思うのですが、特に年の近いライバルなどもいないためメッキが剥がされる機会もありません。

結果として上司など一世代上の方からは「次の時代を担え」と言われてみたり、一方で若手社員からは「頼りになる先輩風」の扱いを受け始めてきています。この自己評価と周りからの評価のズレに居心地の悪さを感じつつも、まぁできないヤツ認定されるよりはマシかなということでのらりくらりと日々サラリーマンを頑張っています。

このような世代なので、私は現在とあるプロジェクトのリーダーを仰せつかっています。

まぁ僕自身はこの立場は一時期問題となった「名ばかり管理職」「ブラック店長」のような存在だと思っています。実質的にPJを先導しているのは上司ですし、周りのメンバーも優秀な人が多く、リーダーとしてチームを導けているとは到底思えません。

ですが、名ばかりではあれ正式にリーダーですし、今後PJが上手く転がればリーダーとしての実績をアピールできて、失敗すれば上司のせいにできるかもしれないということで、大変なことも多いですがそれなりに美味しいポジションではないかと捉えています(以前同僚からは「絶対にその立場にはなりたくない」と言われてしまったので、私の捉え方が誤っている可能性も割と高そうですが)。

仕事ぶりもなかなかリーダーっぽくカッコ良くはできていないのですが、それでもせっかくなので自分なりにリーダーとしてチームのパフォーマンスを上げたいと色々考えてやっているわけです。

今回は、私がリーダーとして気を付けたいと思っている以下の行動、心構えを紹介します。

  • 自分の仕事に取り掛かる前にチームメンバーの状況を確認
  • 上手くいかない原因を人ではなく仕組みに求める
  • 常に余裕ある姿を見せる

順に解説します。

リーダーとして気を付けること

自分の仕事に取り掛かる前にチームメンバーの状況を確認

これはリモートワークになって改めて強く意識するようになりました。立場上自分の判断で業務を進めることが許されず、動くために自分の指示が必要な人が一定数いるため、仕事の完了報告を受けたら遅滞なく次の指示を出す必要があるのです。

しかし、自分の仕事を進めているとそれらの細かい完了報告に逐一業務を中断されてしまいます。中断そのものもストレスですし、そこから次の指示を考えているようでは時間のロスもすごい。一度集中が途切れてしまうと立て直すのに時間を要するため、作業効率も大きく低下してしまいます。

当然ながら、自分たちの指示によって動いてもらうことがチームのパフォーマンスに直結するので、自分事のように部下を動かす、指示を与える必要があります。一方で指示を与えるための行動、思考で集中力を削られないためにはその時の思考を最小限に、つまり「事前に指示内容を整理しておく」ことが必要となります。

指示内容の整理にいつ取り組むべきか??これは前日の夜、仕事が終わった後、あるいは当日の朝イチに済ませてしまうのがいい。私はリモートワークになって以降、自宅保育との兼ね合いもあるため勤務時間が朝か夜に大きくずれる傾向があるので、通常の業務時間以外に支持をまとめておこうとしています。

つまり、どれだけ自分の仕事に追われていたとしても、部下のことを考える時間を確実に確保すること。その時はちゃんと100%意識を部下に向けて、必要な指示を出しておくことを強く意識しています。

上手くいかない原因を人ではなく仕組みに求める

チームとして課題を持って業務に取り組む以上、上手くいくことと上手くいかないことが発生します。上手くいっているのであればそのまま続けてもらえば構わないのですが、大事なのは問題が起きていることを認識したときの振る舞い。

ここで私が強く意識しているのが「原因をその担当者に求めない」ことです。

つまり、「○○さんの仕事が上手くいってない」という捉え方ではなく「○○さんの担当している▲▲(業務内容)の進捗が芳しくない」という捉え方、言い方をします。言葉は大事です。

担当している人に「私のせいで、、、」と思わせてはいけません。○○さんが上手くいってない、という言い方をすると、担当者目線での問題点などのヒアリングが出来なくなります。懸命に事実と感想を分けて説明してくれる方ならいいのですが、人によっては、「私が至らないばかりに、申し訳ありません」以外の発言をしなくなります。これでは問題の解決に向けての取り組みが機能しません。

そして裏では「○○さんに押し付けてひどい」と陰口を叩かれる羽目になるのです。

リーダーとしては、問題の原因を人以外のことに求めるよう意識していくべきだと考えています。特に仕組みの問題や仕事の指示の出し方、優先すべき内容の確認など、仕事に取り組む背景に求めていきます。

この時、問題点が担当者の中や背後にあるのではなく、担当者の手元、手前に問題点がぼんやりとあって、それを担当者と一緒に眺めながら解決策を探るようなイメージを持つことをおススメします。こうすると不思議と担当者を責めるような口調にはなりません。テレビのクイズ番組で出された問題を家族で一緒に解く時のような、「人と問題を切り離した状態」を作り出すことが出来るので、冷静にかつ建設的に解決策を議論することが出来ます。

このような態度で話を聞くと、担当者も自分が責められていると感じにくくなります。そうなって初めて、客観的に状況を説明し、問題解決のために情報を出してくれるようになります。「ここが難しいと感じた」「ここは自分のミスかも知れない」「ここの指示は違ったのでは?」など、問題に一番近くで関わってくれた立場からの貴重な報告をシェアすることが出来るようになるのです。

問題が起こったときに、すぐに担当者を変えようとしていませんか?よほど明らかな場合を除いて、人が原因であるとは思わない方が賢明です。

その担当者からキチンと状況を聞き出すことが出来ましたか?責めているわけではない、という態度を明確にして話を聞かないと、糾弾されているように感じてしまいがちです。支持を出された側は多くの場合立場が弱い人です。

予断を持って問題の全体像を把握した気になっていませんか?ある程度の報告を聞いて分かった気になるのではなく、ちゃんと耳を傾けましょう。

常に余裕ある姿を見せる

これは正直私もまだまだできていません。

「常にヒマそう」が私の理想のリーダー像です。

正確にいうと、「ヒマってわけじゃなさそうなんだけど話しかけたり相談するといつでもイヤな顔一つせずすぐに対応してくれる」状態を常に保っておきたいです。

「話しかけやすい」「問題点について相談しやすい」「何かあっても自分を責めることなく、一緒に考えてくれる」そう思われる存在でありたいと思っています。

そうすれば、結果として問題点が軽いうちにリーダーのもとに上がってきます。問題が軽いうちは対応も簡単で、大ごとにならないうちに解決できます。

前段とも関係しますが、多くの場合、問題点を報告するとヒトのせいになります。そうなると問題を発見した人の中でその流れを嫌がる人は報告を躊躇します。そうしてその人の中で問題はより増大していき、抱えきれないほどに大きくなってから発覚、となるとその人だけでなくチームとしての損失も大きくなってしまうのです。

全てはリーダーによる雰囲気作りから。

私は果たして話しかけやすいリーダーであれているのかどうか。割と仕事の相談は受けるので全くダメではないと思うのですが、問題点が小さいうちに上がってくるということはあまりない気がするので、それに関しては引き続き意識し続けていきたいと思います。

まとめ

自分の仕事に没頭して背中でチームを引っ張っていく、というスタンスのリーダーもいるのかも知れません。ただ「早く行くならひとりで行け、遠くへ行くならみんなで行け」という諺にもありますが、プロジェクトとして大きな目標を掲げて進んでいる以上、独りよがりなリーダーではいけないと強く思っています。

メンバー自身も、常に(いい意味で)周りを把握しようとしているリーダーの態度や雰囲気は感じていると思います。ちょっとした雑談などの軽いコミュニケーションに制限はありますが、「周りへの意識」「人のせいにしない」「余裕ある態度」を大切に、リーダー頑張ろうと思います。