- 自分は派遣社員。正社員による派遣社員の評価ポイントを知りたい。
- 自分は正社員。派遣社員のどこを見て営業担当者にフィードバックすればいいか迷う
このような悩みを持つ方の参考になると思います。
私は正社員として10年ほど勤めているサラリーマンです。ここ数年は常に複数人の派遣社員の方が下につく形で業務を行っています。
これまであらゆるタイプの派遣社員さんと仕事をしていますが、やはり余計なフィルターなしに「この人はいい」と思う人と「この人はイマイチだな」と思う人がいます。
この記事ではあくまで私の主観として、派遣社員の評価をどういう観点で行っているかについて振り返りましたので、それをまとめてみたいと思います。
今回の派遣社員の評価ポイントは、派遣元、派遣先の企業間の評価やフィードバックの決まり事に沿った評価とは異なっていると思います。理由は、私が管理職ではなく、それを知る立場にないからです。
ですが、上司からは頻繁に「○○さんはどうですか?」と現場担当者としての見解を求める質問や確認をされることがよくあります。
その際に良し悪しを含めてどこを見ているか、という私の視点による評価をお伝えしますので、「現場目線での評価、判断軸の一つ」であるとも考えられると思います。
派遣社員の評価ポイント4点

派遣社員の評価といっても、当然のことながら普段一緒に仕事をする時にチェックリストを持ち歩いているわけではありません。
今回改めて振り返ってみて、少なくとも私は自分の業務を代行を頼める方ではなく、自分にない点、自分の弱点を補強、補充してくれるように機能する派遣社員さんに対して高評価をする傾向があることを窺い知ることが出来ました。
項目として挙げてみると、特に以下の4点を重視しています。
- 「言われたことをやる」ときのレスポンスの早さと内容
- 新しい技術や知識の導入に対する意欲がある
- 自分の指示抜けやモレ、矛盾点などを即座に指摘、確認してくれる
-
分からないことをその場で質問してくれる(何回でもOK)
順に説明していきます。
①「言われたことをやる」時のレスポンスの早さと内容
データ入力や解析、記録の保管など、どちらかというと退屈かも知れない業務をお願いすることが多いのですが、その時の依頼から完了までのスピードというのは重要だと思います。
これに関しては、催促したくなる前に返信が欲しいところ。
派遣社員の方の業務内容は基本的に正社員が把握しているので、返信があるまでの時間というのはある程度正確に見積もることが出来ます。
急ぎである場合は指示の際に「ごめんこれ優先で対応して」ということを加えるので、そこに関しては最速があっても仕方がないと思います。
しかしそうでない普通の指示について2日も3日も進捗がないと「遅い」と判断してしまうかもしれません。
そして、指示された内容を満たした上で、自分の色がついた返しがあると「お!」と思います。
ここで言われた内容は無視して、自分の色のみを見せられると「なに勝手にアレンジしてくれてんねん」となってしまい逆効果です。
しかし指示は満たした上で、それに加えて自分なりのアイデアが入ってくると検討しようかなという気持ちにもなりますし、場合によっては高評価に繋がります。
注意点としては、これは場合によっては「そんなことしてる暇があるならその分早くレスして」と感じさせる可能性もあること。
その辺りは緊急度を確認するなどして察知しておくことが出来れば尚良しです。
②新しい技術や知識の導入に対する意欲がある
派遣社員の評価を行う上で、ルーチンワークをしっかり確実に行ってくれることは最重要です。派遣社員の方の業務内容として定形業務、というのはその核を成すものであると言っても過言ではありません。
このような「やるべきことが出来ている状況」においては、それに加えて新しい業務に積極的に取り組んでくれる方は評価に値します。
業務の幅を広げようという態度も好ましいでしょう。
しかし、この態度も場合によっては完全に裏目に出ます。
繰り返しになりますが「やるべきことが出来ている状況」ということが非常に大事です。言われたことも満足にできないのに講演会や技術講習などを希望しまくるのはNGです。
講演会や技術講習への参加は、本人の強い希望があればその熱意を買って検討することもあります。しかしそれは業務というよりは自己研鑽、投資に近いものであり、業務時間内に受講させることはそれなりの重要な決断となっています。
受講会には参加してみたものの全く身に付かなかったというのでは話になりません。
また、受けてきたからにはそれを定着させるためにも可能な限り通常業務にその要素を組み込もうという計らいをすることもありますので、全くの無駄な時間で終わることは避けなければいけません。
このように、業務時間を割いてでもそれを受けさせよう、受けておいて欲しいと思えるような人というのはやはり今ある業務、課題を十分にこなせている人です。結果をちゃんと出してこそのものとなります。
「基礎があってこその応用」という視点を忘れないようにして下さい。
③自分の指示抜けや齟齬などを即座に指摘、確認してくれる
- 「先ほどの指示ですが、前回同様○○の点も確認しておきますか?」
- 「以前この書類は▲▲課に提出でしたが、今回は別の提出先なんですね。」
このように指示内容を反芻し、あいまいな点について質問したり、以前の指示との齟齬を確認するなどのことが出来ると指示を出す側としても安心します。
我々の出した指示が間違っていて(それを派遣社員が確認しなかったとしても)、何か問題が生じればそれはもちろん指示を出した正社員側のミスです。
しかし、それでも指示を出す側からすると「1から10まで正確な指示を出さないと、指示が間違っていたらそのまま行動も間違える」方と「ある程度の指示を出せば、その後は必要に応じた細かいやり取りで具体化していける」方だと圧倒的に後者と仕事をした方が早いです。
「こいつの指示は細かいところ確認しないと間違ってること多いからな」ぐらいの気持ちで来てもらえると助かります(私の場合)。
④分からないことをその場で質問してくれる(何回でもOK)
上とも重複する内容となりますが、不明な点や不安な点はその都度確認してくれる人が嬉しいです。
私が事細かな指示書を書いて、それとにらめっこしながら業務に臨むスタンスを好む方もいました。しかしその場合、指示が正確に伝わっているかを確認するタイミングが結果を受けた時になってしまい、伝達ミスや誤解があったときのダメージが大きすぎました。
また、抜け漏れなく100%伝えるための指示書づくりって結構無駄が多いです。
何故なら相手はどこが分かっていなくて、どこならすぐ分かるのかが事前に把握できないため、どうしても十分すぎる指示書になってしまいがちだからです。
指示を出す⇒目を通す、あるいは会話の中で不明点を質問する⇒回答する⇒派確認する⇒正確認する⇒業務に取り掛かる、というやり取りができると効率的かつスムーズに仕事が進められるようになります。
私のような立場からすると、そのようなテンポを意識してくれるだけで派遣社員は貴重な戦力となります。
派遣社員の評価ポイント【特に気にしない】3点

これまでは「私なら派遣社員のここを評価する」という観点でいくつか述べさせてもらいました。
ここからは、「逆にこれは気にしないよ」という点を3つ紹介します。
- 仕事の説明を一回で覚えない、メモを取らない
- 正社員に対する態度(言葉遣い、礼儀)
- 「正社員は忙しい」と話しかけることを遠慮する。
順に説明していきます。
①仕事の説明を一回で覚えない、メモを取らない
「仕事の内容は一度で覚えろ。できないならメモを取って見返すように。」
ということを言われたことは誰しも一度はあるのではないでしょうか。実際に派遣会社の研修でそのように教えてもらうこともあるようです。
これに関しては「そういう心意気で説明はちゃんと聞いてね」と思う一方で、そこまで「メモ」や「1回で覚える」ことに拘る必要はないと思っています。
覚えていないわけではなく、不明点を解決するための質問なら何度だってしてほしいです。
さらに、覚えるために参考になるようなメモを取ることができない(能力的に劣っているわけではなく「絵心がない」に近い)人がいることを知っているので、「覚えていないから質問する」という行為を責める気にはなれません。
「分からなければ聞く」
これが自分のためであり、私たちのためにもなります。
②正社員に対する態度(言葉遣い、礼儀)
社会人として最低限の振る舞いは出来た方がいいかもしれませんが、特に敬語が乱れたり目を見て話さなかったりしても私は特に気にしません。
そもそもそういう人には出会ったことがなく、恐らく派遣会社で矯正されているのか、派遣されないよう選り分けられているのかは定かではありませんが。。。
③「正社員は忙しい」と話しかけることを遠慮する
確かに正社員は正社員なりに忙しいかもしれませんが、派遣社員の業務を行うために必要な連絡は常に受けられる体制であるべきです。
派遣社員は正社員の指示を受けて業務に取り組んでいるので、派遣社員の業務は正社員にとって「自分事」です。
以上のことから、業務に関する相談などは正社員の「忙しそうな雰囲気」を無視して行うべきです。「お前の仕事でトラブルが起きたんだよ」というぐらいの気持ちでいいと思います。
たとえ忙しかったとしても、仕事の相談のために話しかけてきた派遣社員の方に対して「気の遣えない奴だ」とはならないはずです。少なくとも私は気にしません。
まとめ

以上、派遣社員の評価について正社員かつ現場担当者である私の目線で気にすることをまとめました。
振り返りますが、気を付けるといいかもしれないポイントとして以下の4点を挙げました。
- 「言われたことをやる」ときのレスポンスの早さと内容
- 新しい技術や知識の導入に対する意欲がある
- 自分の指示抜けやモレ、矛盾点などを即座に指摘、確認してくれる
-
分からないことをその場で質問してくれる(何回でもOK)
そして、逆にそこまで気にしなくてもいい、それならその分、↑↑の4点に気を遣って欲しいという行動を3点ピックアップしました。
- 仕事の説明を一回で覚えない、メモを取らない
- 正社員に対する態度(言葉遣い、礼儀)
- 「正社員は忙しい」と話しかけることを遠慮する。
あくまで個人的な考えですが、本記事を参考に、あなたが今就いている正社員の方の嗜好を探ってみるのも面白いかもしれません。
参考になれば幸いです。