- パフォーマンス向上につながる目標設定がしたい
- 目標は立てるものの、それを意識して業務に取り組めていない
このような悩みについて考えてみたいと思います。
私も会社員で、毎年2回ほど業務目標について考える機会があります。
上司との面談もありますし、社内のシステムに記録していくのでこれまでに立てた目標の振り返りなども出来るようになっています。
しかしこれまでの私は、この制度を有効活用できていませんでした。まさに上記のような悩みを抱えてきており、結論として「目標設定には意味がない(人事がやれというから記入するだけ)」と言う意見を抱いていました。
しかし最近は、「せっかく設定するからには何かに繋がらないと時間と労力が勿体ない」とも思うようになり、目標設定はいくつかのことを気にしながら行うようになりました。
今回は、私の経験を元に、仕事の目標設定をする際に考えるべきことを紹介したいと思います。
仕事の目標設定の際に考えるべきこと3選
仕事の目標を立てる際には、以下の3つの点を意識すると効果的だと思います。
- 部署の目標に沿ったものを設定する
- 数値化できる指標に落とし込む
- 設定した目標を振り返れるようにする
順に説明していきます。
1、部署の目標に沿ったものを設定する
大きな括りで部門ごとの目標やKPIといったものは年度初めなどのタイミングで共有されると思います。自分の目標はこの部署の目標を念頭に置いて設定することをおススメします。
その理由は2つあって、「努力が正当化されやすい」から、そして「頭に残りやすい」からです。順に説明します。
①努力が正当化されやすい
部門の目標から落とし込んだ目標の場合、自分の目標を達成するための努力は部門KPIの達成に繋がっているはずです。
「去年までもこれを目標にしていたから、引き続き同じ目標に向かって頑張る」でも悪くはないと思います。ですが、部門の目標と言うのは毎年変化します。
中期計画などと言って3~5年の先を見据えた青写真を描いていたとしても、それがその期間変わらなかった例を見たことがありません。3年前に立てた5か年計画は誰も覚えていないと思っているのか、3年後にしれっと新たな5か年計画を発表したりすることさえもあります。
何が言いたいかと言うと、部門ごとの大きな目標を意識しないままでいると、その部署(会社)に取って必要でない仕事を重点目標としてしまう可能性が否定できません。そして会社が重視していない仕事は、それを実行するだけで余計なエネルギーが必要となるため、効率的ではなくなってしまいます。
そこまでして、逆風を受け入れてまで達成したい目標ならば仕方がないですが、逆にそこまで必要ならば手の届く範囲だけにでも説明、説得を試みてリソースを確保しに行くべきだと思います。
部門の目標に沿った個人目標は、実行可能性が高くなり、それだけで達成されやすくなります。
②頭に残りやすい
後述しますが、年度初めに立てた目標を1年間意識しながら仕事を続けられた人の話ってほとんど聞いたことがありません。
それなりに考えて、必要だと思った目標であるにもかかわらず忘れてしまう。費やした時間や議論がどれほどかというのは人によりますが、これほど勿体ないことはありません。目標を立てて、それを事あるごとに思い出して意識しながら仕事を続けることが重要だと思います。
そういう意味で、思い出しやすい目標であるということも大事だと私は考えます。
部門での目標やKPIは、その部門長などから比較的頻繁にアナウンスがあります。それに結び付けて自分の立てた目標を思い出せるような、簡便、印象的な言葉で目標を作りたいところです。
部門長の話を聞く度に思い出し、「そうだったな、よし頑張ろう」と思えるような目標を立てることを意識しましょう。
2、数値化できる指標に落とし込む
設定した目標はその達成度合いを確認する必要があります。その進捗を見て達成のためにどうするのか、何が必要なのか等を議論するためには、達成度を○、×の2択ではなく程度で評価する必要があります。
そのため、設定した目標は全て数値化できるものである必要があります。「商品を100個売る」であればその個数を百分率で表せば数値化完了です。
「達成したか否か」の基準しかない、ということであればその達成までの過程を設け、各ステップごとに何%、と主観でいいので定義しましょう。
例えばメール送信、という仕事の達成度を定義すると「新規メールを開く(10%)」「本文の作成(30%)」「添付する資料の作成(40%)」「宛先の入力と送信(20%)」となります。
達成度を数値化し、これを上司や同僚などの周りと共有することで同じ物差しで話が出来るようになります。
3、設定した目標を振り返れるようにする
多くの場合、目標に対する考えや思いは設定した直後が最も強く、その後だんだん薄れていきます。思い出す機会がなければそのまま記憶から消え去ってしまい、年度が変わって次の年の目標を設定する際に「そういえばこんな目標立ててたっけな」となるのがオチです。
そうならないための方法は2つあると考えます。「立てたときに覚える」ことと「何かにつけて思い出せるようにする」ことです。
順に説明します。
①立てたときに覚える
設定した目標については、上司と話したり社内のシステムの登録したりして終わりとなることが多いと思うのですが、それをする際に一度自分でちゃんと覚えることをおススメしたいと思います。
目標なんて多くても5つぐらいだと思うので、詳細はともかくその項目ぐらいは丸暗記してしまいましょう。
一度頭に入れることで、頭に残る時間が長くなります。そうすると以下で説明するリマインド作戦がより効果的になります。
②何かにつけて思い出せるようにする
あとは単純に「紙に書き出して見えるところに貼る」というのが効果的だと思います。
設定した目標を他の人からも見える所に掲げるのは恥ずかしいという方は、周りからは見えないけど自分は絶対見るところに出しておくのがいいと思います。例えば定期入れやスマホの待ち受け画面など、アナログ、デジタル問わず目に付くところに置きましょう。
このように否応なしに目標が目に入るようになれば、少なくとも「こんな目標立ててたっけ?」とはなりません。常に意識しておくことでその達成率も上がり、すなわちパフォーマンスの向上が期待できるようになります。
まとめ:目標設定はチャンス
目標設定は、無駄にしようと思えば簡単にそうなります。
しかし冒頭部分の繰り返しになりますが、せっかく時間を費やして設定するのだから、少しでもパフォーマンスの向上につながるように工夫するべきだと思います。
1つでも、2つでも、3つでも、毎年設定した目標をクリアすることが出来れば、その一歩一歩の積み重ねは非常に大きな成果となるでしょう。
参考になれば幸いです。