今回は、こちらの件(↓↓)について思ったことがあるのでまとめたいと思います。
OB の方たちに喧嘩を売るわけではないですが、今回の件は何がダメなんでしょうか?
— KOJI UEHARA (@TeamUehara) August 6, 2020
巨人だからやってはダメ?? 他球団ならオッケー?? そっちの方がおかしいと思いますが…
残ってたピッチャー陣は、勝ち試合に投げさせたい選手たち。あそこで投げてしまうと、次の日に影響しかねないと思います
何があったのか??
上原さん(大好きです!)のツイートにある「今回の件」とは、8/6の巨人―阪神戦で、8回時点で阪神が11-0と大量リードとなった時点で巨人が野手登録の選手をマウンドに送ったことを指します。
これに対して「伝統の一戦を何だと思っているのか」「プロスポーツとして全力を尽くさないのは観に来たファンに失礼ではないのか」などの批判が起きていると。
私はこれらの批判にはむしろ反対で、今回のような采配は全然アリだと思っています。
主張のまとめ
長々と書いてしまったので、私の主張を以下にまとめます。
興味があれば続けて読んでみてください。
- プロ野球選手は長いシーズンを通じて最高の結果を残すために戦っているのだから、明日を考えた采配というのはあって当然だと思う。
- プロは結果で判断されるべきでは。11点ビハインドの状況にしてしまった選手や監督は批判されてもしょうがないが、増田選手は結果出してますよ。
- 「この日の試合を観に行ったこと」のレア度は高い。ただの試合よりむしろ得。
プロ野球選手は何を目指して戦っているか?
プロ野球選手は何を目指して戦っているのでしょうか?
これをまず考えなくてはなりません。
もちろん私はプロ野球選手だったことがないので想像でしかありませんが、おそらくシーズンの優勝(監督、1軍レギュラークラス)と自分が与えられた場面で結果を出すこと(全選手)ではないかと思います。
逆にいうと、「先のことを考えずに目の前のファンにその時の全力を示す、というのは必ずしも優先されない」ということです。
シーズンの優勝
プロ野球のシーズンは長い戦いです。監督はその結果に全責任を負います。
また、レギュラークラスの選手なども、自分の結果は当然として、チームとして結果を残したいという意識を持てる人もいるでしょう。
例年だと140試合ぐらいあって、その後クライマックスシリーズ。今年は試合数は少なくなってるかもしれませんが、それでも11月頃まで継続して結果を出し続けなければなりません。
個人として、チームとしてはもちろんコンディションを維持し、ベストを尽くそうとするはずです。しかしヒトのすることなので波があり、結果が出ないこともあります。
チームの状況を判断し、シーズンを通して勝ち数を最大化するように采配する。
それが目的なら、チームの状況によって損切り的な試合が生じるのも仕方がないと思います。
自分が与えられた場面で結果を出すこと
これは全選手が最も真剣になるところだと思います。
チームが何点勝ってようが負けてようが、目の前の打席や登板は全てが査定の対象となるはずですし、当落線上の選手にとっては格好のアピールの場となります。
手を抜いてプレーしている選手の方が稀です。
観に来てくれたファンに失礼??
「プロとして全力を尽くせ、球場に観に来てくれたファンに失礼じゃないか」というコメントがありました。
これも、「自分が見に来た今日のこの試合で最高のパフォーマンスを見たいファン」と、「長いシーズンを見据えて戦っている監督、選手」との間で目の前の1試合に対する認識のミスマッチが原因なのかなと思いました。
言い方がちょっと冷たいかもしれませんが、ファンにとっては観に行った試合が特別な試合になるんですよね。
もちろん選手個々人としてやれることはやるはずですし、目の前の1勝を取りにいかないことは基本ないと思います。ですが、結果として試合が一方的な展開になってしまった以上、次を見据えた選手起用に切り替える采配も一つの判断ではないでしょうか。
優勝が懸かった試合だったら3本柱で3イニングずつ継投すること(10.8決戦)もあるし、エースが9回のマウンドに立つこと(2013年楽天など)もある。
でもそれを何でもないシーズンの1試合でやれとは誰も思わない。
「登板予定は明日だけどエースがベンチ入りしてる!今は11点ビハインドだけど全力を尽くせ!エースを投げさせろ!だってせっかく私が見に来たのだからぁぁ!(リー〇ルハイ)」とは誰も言わなそうです。
さらに状況は少し異なりますが、いくら常に全力を尽くせ!とはいえ
「シーズン終盤の消化試合、首位打者争いの○○選手は試合に出ていないようだが何故だ!プロなんだからファンには常に全力プレーを見せろ!だってせっかく私が見に来たのだからぁぁ!(リー〇ルハイ)」という主張に多くの賛同は得られなさそうです。
球場に行って熱くなるのも気持ちはわかるのですが、やはり「観に来たファンに失礼、全力を尽くせ」的な批判は気持ちは分かりますが、いささか近視眼的かなと思ってしまいます。
というか、プロ野球ファンならこのぐらいのこと理解してるような気がするのですが。
この批判をしているのはファンではない、ちょっと離れたところから「プロスポーツとは」を語っている人たちの可能性もあるような気がします。
プロ野球選手は先を見据えて戦っている。特に監督は「シーズンを通して」全力を尽くすためにあらゆることに配慮していると思いますよ。
プロは結果で判断されるべき
これに異論のある方はいないと思います。
野球に限らずファンサービス的な面も含めてですが、プロは「練習頑張った!」ではなく「ヒットを打った!」「三振とった!」といった結果を基に評価されるべきです。
今回継投で出てきた増田選手は元々投手だったそうです。このような状況を想定していたのかどうかは分かりませんが、実際の登板では140キロのストレートとスライダーを駆使して阪神の一軍レギュラー選手を打ち取ってるんですよね。
...結果出してるやん、何があかんの?
監督の采配では「あの時の継投策がー」とか「あそこで代打が成功」とか、選手交代に関して批判の対象になることが多いのですが、基本的に結果が出ると「いい采配」扱いとなります。
それでいうと、今回の継投策うまくいってますよ。
「奇策!原マジック!」となってもおかしくない。
もちろんプロの投手ではないし、打たれまくった可能性は他の投手より高かったかもしれない。でもそうなったときの批判は受ける覚悟でマウンドに送り込んだんでしょう。野手を投げさせて打たれたら選手の責任というのはいささか理不尽な気もしますし。
プロは結果が全てなのだから、11点ビハインドになる結果を生んだ投手、野手やそこまでの采配は批判されるべきだとおもいます。
ですが「野手登録の選手を投げさせる采配」に批判の矛先が向くのは違和感を覚えます。もう一度言いますが、結果出してますよ。
この試合を観に行ったことはプロ野球ファンとして得
シーズン通して全試合をチェックしているような熱いファンならともかく、多くの人はプロ野球の結果を逐一把握できていません。私もその一人です。
この試合は残念ながらただのワンサイドゲームです。何かの折に振り替えられるようなこともないでしょうし、職場や学校でも翌日ぐらいしかネタにならないでしょう。
阪神ファンの方は大勝で気持ちがいいかもしれませんが、巨人ファンの方は、、、心中お察しします。
そんな中、ちょっと話題になる出来事が起きました。正直言って試合のレア度、ネタになる度がぐっと上がったと思います。サンデー〇ーニングで取り上げられることは間違いないでしょう。あるいはワイド〇ショーでも??
このようなスポーツファン以外が見るような番組に取り上げられて、熱いプロ野球ファン以外にもリーチしたという点において、この試合の価値、特に「ネタになる度」は他の試合より高くなったと言えます。
そんな試合を観に行けて、(負けて残念であっても)むしろちょっと得な気がしませんか?
「そんなことより勝ちゲームが見たかったよ」
それもそうかもしれません。でも先ほども言ったようにその批判の矛先は「野手登録の選手が投げたこと」ではなく「11点ビハインド」を作ったそれまでの選手や監督の采配に向けられるべきですよね。
「勝ちゲームでふざけたことをされた」
このような声はあまり多くなかったように思いますが、巨人選手も全力でプレーしてたと思いますし、勝利の価値は変わらないと思います。増田選手をめった打ちにしてれば「ふざけたことすんじゃねぇ!」と怒れたかもしれませんが。。。
まとめ
プロ野球の1試合を観に行くことは、駅伝の沿道にでて選手を応援することに近いような気がしました。
そして今回の件を喩えると、監督はゴールテープを切るために采配氏、各走者は決められた区間で結果を出すために全力を尽くしているのに、自分が観に行った沿道がエースが走る区ではなかったときに「全力を出せ!もっと速い選手がいるじゃないか!」と言っているような違和感を覚えました。
自分が観に行った試合が捨て試合のように扱われることは気分が悪いかもしれません。ファンとして怒りたい気持ちもわかりますが、長いシーズンを勝ち抜くために必要な一手だとすれば仕方がないと思います。
どうしてもそれが嫌なら、重要な試合を観に行きましょう。開幕戦やポストシーズンならよほどのことがない限り捨てないと思いますので。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考になれば幸いです。