子育てを始める親は、誰でも初心者、初級者から始まります。
私は上は4歳、下は2歳の子を持つ親です。親歴はかれこれ4年半ほどになりますが未だに子育てというものがよく掴めていません。
大変さや慌ただしさ、そして自分の時間が取れない、という環境には慣れましたが、いつまで経っても上手くやれているという感触は得られていないのが正直な感想です。
理由について考えてみると、「子どもが成長し日々正解が変わっていく中で、自分たちの知識のアップデートが追い付けていない」ということに思い至りました。
子育てを進めていく上での軸がはっきりしていないことが悩みの原因なのではないかと思ったのです。
「のびのび育てたい」と思いつつ、おもちゃを片付けない子どもたちを叱ってしまったり。朝保育園に行く前の準備が遅いと、大人の都合で急かしているだけなのに子供たちについきつく言ってしまったり。
何だか余裕のない子育てをしてしまっていており、その焦りや苛立ちなどが子供たちにも察せられているような気がして、素直に「このままではまずい」と思うようになりました。
そんな中で手に取った育児書の一つが「モンテッソーリ教育」に関するものでした。
「モンテッソーリ子育て」からヒントをもらう
どの分野についてもそうですが、書籍から得た知識は実行することで身につきます。
そう考えると「読んでみて腹落ちするかどうか」、実践してみようと思えるかどうかが重要だと思います。その点この本については「とりあえずやってみようかな」と思える部分が多く、とても参考になりました。
そして、親からしても子供の行動、生態について深く知るきっかけを得られるため、「あ、これでいいんだ」と思える気づきのきっかけとなる件も多くありました。私自身、読んでみて随分と気持ちが楽になったことを覚えています。
以下にモンテッソーリ子育てについて学んだこと(1章)を記録します。
子どもには「敏感期」がある
子どもにはそれぞれ「敏感期」というものがあります。運動や感覚、数、言語に対して、個人個人の敏感期に応じた形でその時の行動が紐づいているそうです。
代表的なのが子供の手遊びやいたずら。モンテッソーリ教育では、こどもの手遊びはその時の敏感期に応じて必要なことを理解している、という考えを取ります。
子どもの敏感期に応じた環境を用意してあげると、子どもは自らをその環境と盛んに関わらせることでどんどん学んでいくそうです。
いたずらもそう。敏感期にある子どもは、それに対応するように自らの発達に必要なことをひたすら行ってしまいます。ひたすらティッシュを箱から引き出したり、箱にしまってあるおもちゃをとにかくばらまいてみたり。
これらの行動も子供にとってはその時の成長、発達にとって必要なことであり、それを「いたずら」にカテゴライズしてしまうのはあくまで親なのです。
親としては「子供がみずからの発達にとって必要な行動である」ということを知った上で対応するだけでもだいぶ気持ちが楽になります。
私もこれを知ってからは「あ、今はそれがしたい時期なんだね」と多少余裕を持って子供を眺めていられるようになりました。
子どもが一人でできるよう手伝う
どんな遊びも「子どもが一人でできるようにする」環境を整えてあげることが重要だと、この本には書かれていました。子どもは今自分の発達に必要な「神様からの宿題」をもらっているので、それをこなしているだけ。
そして、子どもの行動やいたずらが大人にとって邪魔であったり止めて欲しいことになってしまうのは、「普段の環境が大人の都合に合わせて整えられた環境だから」なのです。
子どもたちがあらゆることを一人で行えるように、環境を整える。大人たちは子供たちの行動をサポートすることが重要となります。
大人中心の環境で「それはダメ」と言い続けて育つか、子どもたちが自らの発達に必要な活動を納得いくまで行える環境で育つかというのは、子どもにとって大きな違いとなります。
それはダメ、というのは大人もなるべくしたくない。そうなるとやはり子供にも適した環境を整えてあげたいと思うようになりました。
むやみにほめない
これはある意味目から鱗の言葉でした。
「ありがとう」と心からの感謝を伝えることは重要だが、「えらいね」「上手にできたね」とご褒美のように機嫌を取ることは必要ではない、とのこと。
如何に褒めるかが大事だと思っていたので、「ほめない」ことについては考えたこともなかったからです。
その理由は、子どもは「自分で選んだ活動をやり遂げたこと自体」に満足と喜びを感じることが重要で、そうなれるように手助けをしていく必要があるからです。
さらに、子どもの遊び(お仕事)は、「自分で自分をつくって行く崇高な活動」だと考えるため、そもそも大人が上から目線で評価していいようなものでもないということです。
親に褒められることは子供にとっても嬉しいことなので、それに応えるようにむやみに褒めてしまうと褒められるために頑張るようになってしまいます。
モチベーションが外ではなく内にある、というのは確かに大人にとっても重要だと感じることであり、その考えを幼いころから養うこの「むやみにほめない」という考え方はとても腹納得できるものでした。
まとめ
「子どもたちの活動にはそれぞれ重要な意味があり、本人の発達に大きな役割を果たしている」この事実を認識するだけで、親は随分気が楽になります。
子どもたちは親を困らせるためにいたずらをしているわけではない、というのは分かっているつもりでしたが、同時にそこに意味があるとも思えなかったので、毎度部屋を散らかされてはイライラしていた自分がいました。
これからは子供たちにとっても過ごしやすい環境、子どもたちがみずから学びたいと思うことを手伝えるような環境づくりに気を配りたいと思いました。
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