忍耐強い子供を育てるために親ができること

みなさんこんにちは。こてつです。

親なら誰しも、できることなら子供には社会の荒波に飲まれることなく育ってほしいと一度は思うのではないでしょうか。

生きていてくれさえすればそれでいいと思う一方で、何かやりたいことがあるならその分野で成功してほしいと願うのも正直なところ。

子供の成功にかかわる重要な因子とは何か?そしてそれを育むために親ができることがあるとすれば?

それに答えてくれるような記事を見つけたので紹介したいと思います。

CNBC

成功のカギを握る「忍耐力(perseverance)」

この記事の著者であるMichele BorbaさんはEducational psychologist (教育心理学者)で、子育てに関する多くの本を出版されています。

子どもの発達に関するスペシャリストであり、それに伴い親としてどうあるべきか、という点にも多くの知見を持っているようです。

Michele Borba

彼女によると、モチベーションを高く保つことができる子どもと、何でもすぐに諦めてしまいがちな子どもとを分ける最も重要なスキルは「忍耐力」だそうです。

忍耐力は、IQよりも子供の将来の成功と関連性が高いことを示す研究もあるとか。

確かに親の目からみても、例え今上手にできないことでも、根気強く取り組んで少しずつできるようになる様子を見せる子どもの方が将来安心というか、今後生じる困難にも負けずに立ち向かっていけるのかなと思わせてくれるのかなと想像したりします。

もしその忍耐力を普段の行動や意識付けで鍛えることができるのであれば、是非子どもたちとの生活に活かしていきたいなと思いました。

忍耐力を鍛える方法

忍耐力を鍛えるためにはいくつかの方法があるようですが、ここではMicheleさんの紹介している手法のいくつかをまとめたいと思います。

①モチベーションを下げる要因を排除する

まずは鍛えるというプラスの方向ではなく、マイナスをなくすという考え方です。以下に挙げるいくつかの要因はモチベーションを低下させてしまうのでなるべく取り除こうということですね。

・疲労

特に睡眠に関する習慣づけが重要だそうです。
就寝前1時間はスマホなどの使用を控え、寝室でスクリーンタイムを設けないようにすることなどが含まれます。

・不安

成功に対するプレッシャーを親が子どもに与えないようにしましょう。
子供への愛は成功/不成功とは関係なく常にあるということを感じさせてあげることが重要です。

・早く達成することを重視しすぎること

成長思考(growth mindset)を身に着けることが重要だそうです。
子どもが何かに取り組んだ時に、成功などの結果ではなく、努力、過程を褒めてあげる習慣をつけることが必要です。

・能力に合わない目標

子どもの能力を見極め、その少し上を目指すことを意識することが大切です。
高すぎる目標は子どもを不安にさせますし、逆に低すぎると退屈になってしまいます。

②失敗を成長の機会だと捉える

「失敗は悪いことではない」という意識を持てるように意識したいです。

親がそう意識するのはもちろんのこと、失敗を恐れず挑戦することが大事だと理解できるようにリマインドしてあげるといいそうです。

そして当然、親も自分自身の失敗を許容しましょう。誰しも失敗することがあって、そこで挫折しないことが成功へのカギとなることを子供たちが学べるようになります。

③タスクを細分化する

大きなタスクをより小さく細分化することにより、それを対処することに対して自信を持って取り組めるようになることがあります。

例えば目の前にある課題が膨大すぎて取り組むことができない場合、その課題の内容を細かくメモに書き出していくことが有効な場合があります。

それを1項目ずつ消化して、それが書かれたメモをはがしていく、といったことを繰り返していくと、時間が経つにつれて大変だった宿題が片付いている、という状態を作り出すことができます。

これを成功体験として、大変な事柄でもタスクを細かくして時間をかければ成し遂げられることを学ぶことにより、物事に根気強く取り組むマインドを育むことにつながります。

④小さな成功を喜ぶ

失敗ばかりが続くとモチベーションの低下につながります。

逆に小さくても成功すれば継続するモチベーションに繋がるので、例え最終目標には程遠い小さな成功であっても、何か進歩がみられた時にはそれを認めて喜ぶようにすることが大切です。

『これまで5分しか集中できなかったけど、今日は7分集中できた。』

『これまで5回しか飛べなかった縄跳びを7回飛べた』

努力したから進歩しているよ、ということを認識させてあげられるといいと思います。

⑤努力を褒める

スタンフォード大学の心理学者であるCarol S. Dweckらの有名な研究があります。

子供たちに対して知性など持って生まれたものを褒めるとあまり物事の持続性に効果がなく、逆に努力したことを褒めるとより継続することや努力することに対するモチベーションが高まる傾向があることが知られています。

最終的な目標は外的な要因なしにモチベーションを高められるようになることで、そのためにも親は結果ではなく努力を褒めることを意識しなければいけません。

著者はお金やシールなどの外的要因によってやる気を引き起こす方法にも懐疑的とのことです(参考)。

⑥前向きな表現をする

「もうできない」や「私は賢くない」といった本人に関するネガティブな表現は避けるようにしましょう。

困難が生じたときには、短くポジティブな言葉をかけてあげたり、またそれを本人が覚えて口に出せるように教えてあげることも効果的だそうです。

「完璧じゃなくてもいい。続けていればどんどん良くなる(Things don’t have to be perfect. I will get better and better if I keep trying.)」など。

⑦子ども自身ができることに手を出さない

子育てにおけるもっとも大切なルールの一つは「子供たちが自分でできることは親が手を出さない」ことです。

大人が細かく失敗を訂正したり、子供のためにと色々なことをやってあげることを続けていると、子供は自然と親に頼ることを覚えるようになります。

それは自分で継続して取り組むことの妨げになりかねません。

最後まで手を出さずに、子供たちが自分で物事を成し遂げることで達成感を得るサポートをしてあげることが大切です。

まとめ:結果を気にせず、子どもを信じて任せる

子どもの成功に対して重要だと考えられる忍耐力を育てるために親ができることについて、改めて以下にまとめます。

  1. モチベーションを下げる要因を取り除く
  2. 成長を失敗の機会だと捉える
  3. タスクを細分化する
  4. 小さな成功を喜ぶ
  5. 努力を褒める
  6. 前向きな表現をする
  7. 子ども自身ができることに手を出さない

親から見るとまだ頼りない存在かもしれませんが、親があれこれ手を出すといいことはありません。

子どもたちと適度な距離を取って、いざという時に支えてあげるという態度が重要なのかなと思いました。

参考になれば幸いです。