子どものわがままはパターン化して対処できる

この記事では、子どものわがままにどう対応すればいいか悩んでいる方に対して書きました。こちらを読むことで、以下のようなメリットがあります。

  • 子どものわがままに対する対処法が分かる
  • わがままに対する態度の線引きが明確になり、自信を持って接することができる

たまに外出先(おもちゃ屋さんなど)で、子供のわがままに手を焼いて困っている親子連れを見かけることがあります。多くの場合はどう対応しようか、その方法が決まっていない時に子どもの態度もよりひどくなっていく印象があります。

しかし、適切な対処法をおさえておくことで、わがままを見せられても焦ることがありません。「なるほど、今回はこのタイプのわがままね」と冷静に対応することが出来ます。

私は、「子供が伸びるいいわがまま 心を荒らすわるいわがまま(中垣俊子著)」を読んで、わがままの対処法について自分なりの基準を作ることが出来ました。

本書の内容を参考に、私の経験談を含めた解説をしていますので良ければ読んでいってください。

子どものわがままへの対処法とは

対処法

子どものわがままな態度やふるまいを見せたとき、親の以下のような流れで対応するといいです。

  1. そのわがままが「いいわがまま」か「悪いわがまま」かを見極める
  2. それぞれに合った対応をする

とても簡単ですよね。

「いいわがまま」と「悪いわがまま」っていったい何?? その見分け方は??

また、それぞれに合った対処法とは?

これらの疑問について、順に説明していきます。

①「いいわがまま」と「悪いわがまま」の見分け方

「いいわがまま」と「悪いわがまま」の違いとは何か?

これは、わがままな態度やふるまいで何を要求しているか? によって見分けることが出来ます。

具体的には、以下のように分けることができます。

  • いいわがまま:子ども自身の希望を伝えている
  • 悪いわがまま:他人の行動を強制、制御しようとする

詳しく説明します。

①-1、「いいわがまま」とは?

「いいわがまま」は、先ほども書きましたが、「子どもが自分自身の希望を伝えるために見せるわがまま」です。

具体的には以下のようなことが当てはまります。

  • 抱っこして! と道で立ち止まって泣き出す
  • あれ買って! とお店で寝転がって暴れる
  • おもちゃを友達に貸さない、あるいは奪おうとする

以外でしょうか?このような振る舞いは、いずれも「子供たち自身の願望を実現するためのわがまま」である、「いいわがまま」だと考えることが出来ます。

子どもは自分の要求や願望を上手く伝えることができません。なので、どうしても泣いたりわめいたり、といった手法に頼ることになってしまいます。

不器用なのは当然で、その真意は「○○したい」というシンプルな要求です。であれば、わがままな態度だというだけで、叱ったり止めさせたりする必要はないと考えます。

①-2、「悪いわがまま」とは?

それに対して、「悪いわがまま」は、「他人の行動を強制、制御しようとするためのわがまま」です。

少し分かりにくいかも知れませんが、具体的には以下のような行動が当てはまります。

  • パパは来ないで! など輪に加わることを拒否する
  • おもちゃの取り合いなどで、「○○はあっちのおもちゃ使ってて」と言う
  • パパやママが自分から離れるのがイヤだと言って泣く

上の具体例を見て、「いいわがまま」との違いを掴んでいただけるでしょうか?

自分が何をしたい、という思いは勿論あってのことなのですが、そのために「『嫌がっているにもかかわらず』相手の行動を強制しようとするためのわがまま」が「悪いわがまま」となります。

②それぞれに合った対応をする

「いいわがまま」と「悪いわがまま」の違いが分かったら、それぞれに合った対応をします。簡単にまとめると、以下のようになります。

1、「いいわがまま」への対応

  1. 可能なら応える
  2. 無理なら理由を説明し、代わりの何かを提案する
  3. 会話を淡々と流す
  4. 話題をそらす

2、「悪いわがまま」への対応

  1. 「NO」をシンプルに伝える
  2. 何もせず待つ
  3. 話題をそらす

それぞれ順番に説明します。

②-1、「いいわがまま」への対応

②-1-① 可能なら応える

「いいわがまま」は単なる希望、願望なので、対応できることであれば応えてあげて構いません。一緒に遊ぶことや、だっこでも、おもちゃでも同様です。

「わがままに応えることで『泣けば何とかなる』ということを覚えてしまう」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、次項でも説明しますが、「無理な時は断る」ことで、わがままに応えること自体が悪い習慣となることはありません。

繰り返しになりますが、「いいわがまま」は単なる希望です。自分の希望を発信することは他者とのコミュニケーションにおいてとても重要ですので、これは抑圧されたり叱られたりするべきものではありません。

②-1-② 無理なら理由を説明し、代わりの何かを提案する

様々な事情で、希望を叶えてあげられないこともあると思います。その場合は、きちんと説明してあげることが重要です。そして、その際に代わりの何か違うことを提案すると上手くいくことが多いです。

例えば、買い物帰りに道を歩いていて「抱っこして!」と言われたとき。

私の場合は「今は荷物がたくさんあるから抱っこできないよ。家に帰ってからでもいい?」や、「お歌うたいながら歩こうか?」と行ってみたりします。

また、「おもちゃ買って!」と言われたとき。その日に買いたくなければ「今日は買わないって言ってたでしょう(勿論事前に言っておくことが必要)」や「お誕生日にはまた来ようね」という説明や提案をしていました。

この時、提案は具体的である方が子どもと認識を揃えることができるのでいいと思います。

先ほどの抱っこの例で、私は「『家に帰ってから』でもいい?」と言いました。この場合、「あとでね」と言ってしまうことが多くないでしょうか?

買い物の例でもそう。「お誕生日にはまた来よう」ではなく「また今度ね」とか言いがちです。これは経験談でもありますが、具体的な「後で」をイメージできる方が提案を受け入れてくれやすいです。

②-1-③ 会話を淡々と流す

説得を試みてもダメ、提案も聞く耳持たず、となれば、淡々とその会話を流しましょう。

可能であれば、その場から立ち去るというのもこれに当てはまります。

子どもに感情の動きを見せない方が早く収まります。その態度が「これ以上泣いたりわめいたりしてもダメだ」というメッセージとなります。

わがままが収まらないことを怒ったり、「泣き止まないなら○○しないよ」のような言い方は良くありません。②-1-①でも説明したように、いいわがままは単なる希望です。それを望む気持ちは尊重してあげるべきです。

②-1-④ 話題をそらす

話題をそらす、とは、それまでのやり取りと全く関係ない話題を振って、気持ちを紛れさせることです。

先ほどの抱っこの例でいうと、代替案にも応じず、道端だからその場を立ち去ることもできない、となった時に「あ!飛行機雲だ!」とか言ってみることです。

子どもが興味を持ちそうなことなら何でもいいと思います。動物が好きなら「あれ?あっちにワンワン歩いてるよ!」とか、「あ、あそこに黄色いお花!」とか。

別に目に入るものである必要もありません。保育園の話とか、いつも見ているテレビの話とか、何でもありです。とにかく関係のない話題を振ってみることがポイントです。

そちらに意識がいったら可能性あり。しばらくそれを楽しんだ後で「さあ帰ろう!」というと、さっきまでのわがままが嘘のように自分で元気に歩き出す、ということがあります(これも経験済です)。

2、「悪いわがまま」への対応

「いいわがまま」と「悪いわがまま」は、場合によって移り変わるときがあります。

先ほど「いいわがまま」の例として紹介した「おもちゃ買って」という要求も、その希望そのものは責められるものではありません。しかし、買わないと決めているにもかかわらずしつこくおねだりを続ける場合、それはおねだりを続けることで親の決断を変えさせようとする「悪いわがまま」にもなりうるということが言えます。

最初は「いいわがまま」だったとしても、これはやりすぎだと思えば以下に説明する「悪いわがまま」としての対応しましょう。

②-2-① 「NO」をシンプルに伝える

例えば、「今日は何も買わないよ」と一言シンプルに伝えます。この時のポイントは感情を乗せないことです。怒ったりなだめたりすると、反応があったことで子供の態度が変わらなかったり悪化したりします。

(あれだけ言ってたのに・・・)とつい怒ってしまいそうだという方は、頭に「え?なんで?」とつけて言ってみてください。そうすると「今日は何も買わないよ!」が「今日は何も買わないよ?」となり、怒りの感情が少しマイルドになります。

②-2-② 何もせず待つ

その後はひたすら何もせず待ちます。

目の前でじっとしていてもいいし、少し離れてもいいです。もう一人誰かがいるなら、その人と話をしてもいいです。

自分に興味が向けられていないことを察することで心が落ち着くことがあるそうです。

②-2-③ 話題をそらす

「いいわがまま」への対処と同様、全く別の話題を振ることです。

悪いわがままに対しても同様に効果的である場合があります。

まとめ

まとめ

「子どもはわがままを言うもの」

頭では分かっているものの、いざその場面になると焦ってしまいます。特に外出先だと、周りの人の目も気になったりして対応が揺らぎがちです。

でも、親として一貫した基準があれば、周りの目線も気になることなく冷静に、自身を持って対応できます。

この記事では、こどものわがままの見分け方とそれに応じた対処法について説明しました。以上を踏まえれば簡単に対応基準を作ることが出来るので、今後子どものわがままに悩まされることもないと思います。

参考になれば幸いです。