【本感想】子どもを伸ばす魔法の11か条 アメリカインディアンの教え(令和新装版)加藤諦三著

加藤諦三著、「子どもを伸ばす魔法の11か条 アメリカインディアンの教え(令和新装版)」を読みました。

本書は「週刊ダイヤモンド」のテレワーク特集の中で、オフタイムの楽しみの一つとしての「子育て・教育」に関して参考になる本、という位置づけで高濱正伸氏(花まる学習会代表)が紹介してされていました。

曰く、「親自身の気持ちが不安定では子どもは変わらない」「親の態度や行動の基になる心に焦点を絞って解説」「金言がならぶ『はしがき』と『あとがき』だけでも再読する価値がある」。

仕事の息抜きに子育て・教育を挙げてくる時点でこの人子育てしてないな?とは思いました(高濱氏ではなく企画・編集者が)。

しかし私も子育てについては日々悩み、あれやこれやと模索している親であり、「親自身の気持ちが不安定では子どもは変わらない」というフレーズには耳が痛くもあったので、藁にも縋る想いで試しに購入してみました。

そして一通り読んでみた感想ですが、私の中で子育てに悩む親御さんにはおススメできない一冊となりました。友人にも勧めませんし、妻には購入時に「この本良さそうじゃない?」と紹介したものの、今読むことを勧めはしないでしょう。

「アメリカインディアンの教え」をおススメしない理由

理由

私が本書をおススメできない理由は、主に以下の3点です。

  • 解説が入ってこない
  • 具体的な「どうすればいいか」がない
  • 著者のトラウマが強く印象に残り不快

順に説明していきます。

①解説が入ってこない

これについては、「お前の読解力が足りないからだ」と言われればそれまでかも知れません。

私の読解力を示す指標、というのも思いつかなかったのですが、それでも多分普通だと思います(センター試験の現代文なら8割ぐらい取っています)。

確かに、要所要所でいい感じのことは言っていて、内容を全否定する程のことでもないかもしれません。

しかし、少なくとも全体を通して内容がスラスラ入ってくるようなすっきりとした構成にはなっていないと感じました。

「ん?この章ここで終わり?何で引用だけして次に行くの?」みたいな引っかかりと、もやもやした感情を抱かずに読み進めることは出来ませんでした。

私の読解力がないが故のことだったとしても、一部の賢い人にしか伝わらない本なのであれば、そうであることを記録しておこうと思い本記事を書くに至っています。

上述の高濱氏の解説で「『はしがき』と『あとがき』だけでも再読する価値がある」という文言があったのですが、これは言い得て妙であると思いました。

実は私も同じような感想を抱きました。そしてそれは「はしがき」と「あとがき」だけは割とすんなり言いたいことが飲み込めたからです。

私は高濱氏の評を「真ん中(本編)の解説は読む価値無し」と読みかえました。当然ですが本人の真意はわかりません。

「なんかいい感じのこと」を読みたいのであれば、本書の解説部分ではなくアメリカインディアンの11行の詩だけを読むだけでいいと思います。私もこの詩は気に入りました。

そしてこの詩はググればすぐに出てきます。

本書を買って読む必要はありません。

②具体的な「どうすればいいか」がない

本書を手に取ろうとする人は、少なからず「子育てに関する悩み」を抱えていらっしゃると想像します。

私も妻と子育てに奮闘する毎日を送っており、「親としてどうあるべきか」については日々悩み、試行錯誤を繰り返す日々です。

少なくとも本書は、そのような悩みに対する具体的な解決策を提示してくれるものではありません。このことを念頭に読みたいなら読まれることをおススメします。

本編では「こういうことはしてはいけない」「こういう態度は良くない」という解説がいくつも出てきます。

ですので、自分の行動を振り返り、それにあてはまる指摘があった場合には「あぁなるほど、これは良くないのね」と自分の行動と照らし合わせることができるので、それにより本書に対する説得力を得たような心境になります。

しかし私は、「~はいけない」を羅列した後には「要するにこうありたいよね」というまとめが欲しい。それを求めて参考にしたかったのですが、「こうでありたい」を記載した個所はゼロではないですが少なかったように思います。それともそこは読者に委ねるという高次な論説なのかな。

そもそも先に述べたように構成がグラグラであり、具体例⇒抽象化の流れがない文章を読まされるので具体例のところでハマらなければ得るものがありません。

もちろん自分に当てはまらない「~してはいけない」でも「それはそうだね」と納得することもありますが、何か個別の事象過ぎてすっきりしない。結局本書を読んで「なるほどそういうことか」という思いを得ることはありませんでした。

③著者のトラウマが強く印象に残り不快

著者は幼少期、父親に対して様々な仕打ちを受けていたようです。

肉体的な暴力というわけではないようですが、浴びせられた言葉や向けられたまなざし、態度などについて細かい描写があります。これらの著者の記憶は前述の「~してはいけない」を紹介する際の具体例として頻繁に登場しました。

内容が事実なのであれば(真偽を疑っているわけではなく、確認しようがないので)それは気の毒なことだと思います。親として子どもが幼少期にどう育てられたかというのは大事なんだなということも感じました。

ですが、解説の難解さに比べてこのエピソード部分はあまりにすんなりと読めてしまうため、こちらから得る印象がとても強くなってしまいます。

そしてその結果、「いいこと書いてる詩」+「よくわからない解説」+「時折すんなり読める著者の過去エピソード」という構成になります。

可哀想だなとは思うので申し訳ないですが、本書に対する期待と得られた情報とのギャップがただただ不快でした。

まとめ

まとめ

子育てに悩む親御さんで、様々な媒体から情報を得て勉強しようとしている方はいらっしゃいます。

そのように勉強熱心な方であれば、「まぁ当たりはずれもあるよね」という気持ちで多くの情報に触れていると思うので、本書のような情報でも一定の価値はあるのかも知れません。

しかし、それなりに情報には気を付けていますが、私のようなまだまだインプットが不足しているようなレベルの親の場合、一冊一冊から得る情報の影響度は大きくなってしまいます。

そういう意味で最初の数冊は非常に大事だと思うのですが、そこにリストアップできるほどにおススメできる内容ではありません。

出会うなら、たくさんの情報を得ていく過程で出会うべき一冊だと思います。

↓逆に興味を持った方はどうぞ。