家賃を60万滞納されたダメ大家の反省

この記事では、家賃の滞納に悩んでいる大家さんに向けて、自分の体験談(進行中)を書いています。

巷には不動産投資に関する華麗なる成功話や、驚くほどお粗末な失敗談など、いずれにせよ「極端な事例」があふれています。

対して、今回お伝えする私のそれは「地味なエラー」と、「賃貸経営事業者としての怠慢」による滞納、退去事案です。

不動産事業は相対取引であり、様々な契約にあたっての条件とは相互の交渉で柔軟に定められます。だからこそ、その取り扱いには自分の価値観に基づく「厳正な軸」を基準とすべきだと思っています。当時はそのような考えは全くなく、緩い経営をしていました。

この件も、キチンとした軸を持って対応していれば防げたか、さすがに60万円対応された挙句県外に退去されるなんてこともなかったでしょう。

滞納された家賃はまだ諦めていないので、現在も必死に関係が切れないようにやっているのですが、反省点とともにネタとして関心のある方に届けば嬉しいです(そして広告をクリックして欲しい)。

家賃を滞納されたダメ大家の反省点

滞納

反省点①:そもそも無理気味の契約

その入居者さんは、ジ○ティーで物件の存在を知り、ウチ○ミから連絡をくれました。

家賃65000円の3DK戸建てに単身者(派遣社員)としての入居申し込み。

大丈夫かな、家賃払えるのかな、と気にはなりましたが、一生懸命頑張ると言っていたので話を進めることにしました。

よくよく聞くと、お母さんとの同居をするために広めの部屋を探しているのだとか。

普通に考えると、手取り12~18万(残業次第)で家賃65000円てどう考えても破綻してるんです。でも年金で暮らす母親と一緒に住むことで生活コストが圧縮出来て、負担も軽くなるから大丈夫、という甘い見積もりをそのまま受け止めてしまいました。

反省点②:ブラックリストだが応援したいと思った

結局入居申し込みをもらったのですが、その後の保証会社の審査で4社に落ちました。

原因がわからず本人に確認すると実は多重債務者で債務整理中とのこと。

恐らく初めからそのことを伝えると断られると思い隠していたのでしょう。

結局審査手続きの中で敢え無くバレてしまったわけですが、「入居希望者にとって」一定の効果はありました。

結局私がその入居希望者のことが気になってしまい「もしそれでも入居を希望するのなら」と面談を設定し、直接本人の話を聞くことにしました。

そして、

本人の事情を聞いていたダメ大家(私)が、復帰を応援したい気持ちを抱いてしまったのです。

「私が断ってしまうと、他のどこの部屋にも入居できないのではないか。」

「お母さんと一緒に暮らしたいって言ってたな、いいやん優しい息子で」

「ここでの暮らしをきっかけに債務をなくして、再スタート出来たら」と勝手に思うようになり、結局入居をOKしてしまったのです。

反省点③:仕組みに基づく決断ができなかった

入居は決まりましたが、さすがに保証がありませんので定期借家契約としました。

半年、半年、1年、、、と少しずつ長くしていく予定でした。

いざ入居してみると、以前話していた母親との同居話が実現しなかったそうで、結局単身での入居となりました。

最初の1年は大丈夫でした。

しかし1年を過ぎたあたりから、徐々に入金が遅れ始めました。

3ヶ月分溜まったところ(ここも遅い!)で事情を聞くと、「債務整理のための弁護士費用にお金が掛かっており、家賃が入金できていない」とのこと。その請求書や見積書は実際に見せてもらいました。

解消するのは来月、となっていたのでそこからは払っていきます、とのことだったので了承しました。

そして2か月後、入金は始まりませんでした。

体調を崩し、派遣の仕事を辞めてしまっていたのです。

確認すると、コンビニバイト+αで食いつなぐような感じになっていました。

これははっきりまずい状況です。収入も安定せず、家賃の負担がのしかかっています。

のしかかっているならまだいいのですが、平気で滞納し、生活費を優先させるお金の流れを作ってしまっています。

仕組み上、滞納が3か月となって時点で退去してもらうべきでした。

「それじゃあ、債務整理が終わったら出ていってね」とするのが結果としては最も傷が浅く済んでいたのかも知れません。

しかし取りっぱぐれた家賃を回収したいという思いもありましたし、整理が済んでからなら元の入金ペースに戻ることを期待して決断を遅らせてしまったのです。FXで損切りできない心境に似ています。ちゃんと逆指値をいれておくべきだったのに。

結局その後1年強で合計10ヶ月分の滞納を出し、仕事のための転居(当時はまた別の派遣会社)とのことで退去していきました。コロナ禍で大丈夫だったかな。。。

まとめ

まとめ

今回の事例は、ダメ大家とダメ入居者の奇跡のコラボによる10ヶ月滞納でした。

大家として、事業者として大いに反省しています。

賃貸経営においても「損切り」という考え方の必要性を感じることになるとは思いませんでした。客観的な基準に基づく冷静な決断、この基本が出来ていなかった。。。

今回のような失点を重ねてしまう心理状況などについて振り返り、またブログにまとめようと思います。同じような人の参考にもなるし、誰かがコメントをくれるかもしれません。

「お金を払って機会を買っている」と考えて、前向きに捉えたいと思います。