結局、今の日本って景気いいんでしょうか?
僕は幸いなことに、これまでボーナスが貰えなかったり、給料が下がったりといった経験がありません。研究部門に所属しているので、自分が稼いだ!みたいなことを感じることは皆無なのですが、きっと営業部門の方々が頑張って利益を出してくれているのでしょう。会社もとりあえず順調なようです。
ただ一方で、非正規雇用の方の数が増えているだとか、株価は上がっているけど市民感覚として好景気を感じられないとか、平均所得がこの20年ほど殆ど変わっていないとか、「失われた20年」という言葉が平成を特徴づけるシンボルの一つとなっていたりと、どちらかというと日本経済にとっては「しんどい期間」となっているんだと思います。
(雇用統計を公開しないとか発表したのって厚労省でしたっけ?文科省?)
そういう経済状況においては、まじめに一つの会社に勤めあげるということに対しての不安の声というものがどこからともなく湧き上がってきたりします。
「どれだけ会社に尽くしても、いざという時に会社はおまえを守ってくれないぞ」「『働き方改革』とか言ってるけど、あれば残業未払い宣言だ。雇用の流動性を高めるだなんて、体のいい『首切り開始宣言』だ。」「これからは副業・複業の時代。給料だけに頼らずに収入の柱を増やす必要がある。」
こういった『誰かはわからないけど誰かが言ってそうな言葉』が全て、給料以外の収入を得たい人たちが一歩を踏み出すことを後押しします。最近はブログだったりプログラミングだったりせどりだったり不動産投資だったり、サラリーマンでもできる副業に関する情報が世に多く出ているように思います。
この風潮自体は僕は大歓迎です。自分のキャリアアップのため、またはお金稼ぎのためなど目的は様々でしょうが、収入を得る行為に多様性が生まれることは日本経済の活性化につながると思っていますし、今後雇用の流動性が高まっていくことは極めて角度の高い事実です。今から動き出すことは決して悪くないと思います。
しかしながら、そのような本業以外の金稼ぎに際して十分に気を付けるべきことがあると思います。『情報の選別』です。
「絶対に儲かる副業」「サラリーマン必見のノウハウ」「この方法で私は月に8桁稼いでいます」etc…巷ではそんなコピーで様々な商材が販売されています。最近ではそれらの書籍や商材の広告がネット上はもちろんのこと、電車の中吊り広告、新聞でもよく見られるようになりました。アンテナを張っている方でなくとも「最近広告多いな」ぐらいのことは感じられているかもしれません。
こういった謳い文句の真偽、商材の中身はきちんと吟味しなければいけません。書籍ぐらいならせいぜい2000円未満だと思うので大した痛手にはなりませんが、何十万円もするような高額なセミナー代などの場合は、より慎重な判断が求められる商品となります。中にはぼったくり商品もあるでしょうし、犯罪的なスキームに知らないうちに手を染めていた、なんて例も不動産投資界隈などでは話題になっていました。
でも、「副業したいな」「いい投資方法ないかな」とか普段から考えている方たちはいいんです。自分で前のめりになって情報を得ているわけで、そこで騙されたり知識不足が故に失敗することになっても、それはやっぱり「自己責任」だと思うからです。「投資は自己責任」ですし、副業も個人事業の形態で取り組んだことであれば消費者ですらありません。
問題なのは、「別にそこまで危機感とかなかったんだけど、話を聞いているうちにその気にさせられた結果怪しいビジネスにがっつり両足突っ込んでた」パターン。それがタイトルにあるうちの弟です。
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時は平成末期。
世間は令和新時代への期待とともに、来る長期連休を心待ちにしていた。僕もそう。妻と子供たちと親戚の家に出かける予定を立てていたので、大人が多い環境で少し子供対応の手が抜けるかも!と連休を心待ちにしていた。
そんな連休直前のある日。弟から1通のLINEが。普段めったに連絡を取り合わないので少し不思議な気分だった。
「GWは実家に帰ってこないのか?」
重ねて不自然。今まで一度としてこんな連絡はよこしたことがなかった。でも兄とその家族の帰省を心待ちにしているのであれば悪い気はしない(弟は独身で実家ぐらし)。
「残念だけど今回は帰れない。前半は親戚の家、後半は家で過ごす予定。」
こう返すと、すぐに返信。
「そうなんや?じゃあどこかで遊びに行っていい?」
不自然。不自然。お前本当に俺の弟か?
「〇日以降ならいいよ」「OK、じゃあ〇日に1泊させて」
とまあ、あれよあれよと弟が家に遊びに来ることが決まった。何だかよくわからなかったが、まぁでもお互い大人なわけだし、兄弟仲は別に大して良くもないにせよ叔父として子供たちと触れ合ってくれれば僕としては不満はないし。
その後は特に何もなく、数日後さらに奇怪な出来事が。
弟からFacebookの友達申請が来た。アカウントを見てみると友達はまだ数人、きっと始めたばかりなんだろう。
さらに驚いたのはその写真。顔出しやんけ。。。
まったくキャラじゃない。しかもジャケット着て軽くポーズ決めたりしてる。何というか、「リア充感」を出そうとしているような。
(変わったなー。彼女でもできたかな?)
頭のおめでたい兄はこの変化を「垢抜けた」と解釈。
(一人で遊びに来るものとばかり思っていたけど、連れて来たりして。)
そんなこんなで弟の訪問日。車で駅まで迎えに行った。。
「Facebookの写真見たけど、雰囲気変わったな。」
「あれ、実は仕事で使うんだよね」
「仕事?何の?」
「詳しい話はまぁ後で。今の会社は辞めてないけど、週末に新しい仕事始めたから。」
「へぇー、ダブルワークか。頑張るねぇ。どんな分野の仕事?」
「販売。プロモーションとか」
お世辞にも社交的だったり活発な印象がなく、どちらかというと無口で大人しい性格の弟が販売?ますますわからん。。。
とりあえず車内では深堀りせず、夕飯時に妻と一緒にいじってみることに。
「販売って言ってたけど、何を売るの?」
「化粧品」
「化粧品?」
「うん、あとサプリとか」
「どんなきっかけでその仕事を始めたの?」
「友達に紹介されて。始めるときに数千円だけ会費払ったけどいつでも辞められるし、押し売りとかノルマとかもないから怪しいビジネスじゃないよ。」
・・・
おいー。お前それ完全にそっち系やないかーい。。。
<続く>