アパートの「半自主管理」は初級大家にオススメ

まだまだ初級レベルの大家ですが、駆け出しだからこそ考えておきたい物件の管理に関する問題。

ついに念願のアパートを購入したよ!
けど、自主管理?それとも委託管理?どっちがいいんだろう・・・?

Kotetsu
Kotetsu

僕は管理会社に相談、交渉して「半自主管理」状態でアパート経営をしています。
管理会社によっては嫌がられるかもしれないけど、初級大家にとってはメリットも多いからおススメです。

今回は半自主管理の特徴と、駆け出し大家さんにそれをおすすめする理由について書きたいと思います。

アパートの管理形態について

委託管理

不動産業者に文字通り物件の管理を委託する方法です。大家さんは何もする必要がありません。

毎月の家賃の振り込みや退去の連絡、大きなリフォームの場合その提案なんかがあるのかな?という具合で、管理会社が手間賃を取って何でもやってくれます。

委託管理料は家賃の3〜5%が相場ですが、5%が多いのではないかと思います。あとはリフォームなどでしっかり中抜きするとかしないとか…。

自主管理

物件の管理を自分で行います。めぞん一刻とか、昔ながらの大家さん、自分も同じアパートに住んでるような大家さん、というのが近いイメージですかね。

家賃の回収や契約なども自分で行います。最強はポールさんでしょうか。

アパートの半自主管理とは

それじゃあ、半自主管理って具体的にどんな管理形態のことを言うの?

Kotetsu
Kotetsu

この呼称は僕が勝手につけたものです。
要するに「法人にしかできない手続きや面倒な所は管理会社に頼りつつ、リフォーム、客付け、契約など自分でできるところはなるべく自分で行う」管理手法です。

半自主管理の役割分担

半自主管理では、以下の作業は大家である僕が行っています。

  • 入居者募集(業者回り、インターネット)
  • 内見の案内
  • 契約書の作成と契約
  • 家賃保証の審査申込み
  • 設備の修繕、リフォーム(の段取り)

一方管理会社の仕事はこちら

  • 火災保険の申請手続き
  • 家賃の回収
  • 各種費用の精算
  • レインズに空室情報の登録、ポータルサイト登録

保険の申請や、レインズは僕が個人でできないため、管理会社を頼ります。

家賃の回収と督促もお任せです。僕は管理会社から月次報告書をもらい、その時に入金を確認します。家賃回収もそうですが、特に督促は想像するに面倒なので管理会社に全部任せています。

このように、動き回るのは僕の仕事でサポート業務が管理会社の仕事、という分担になっています。

半自主管理のメリット

やったー

僕は始めからこの形態を狙っていた訳ではなく、購入後に自然と移り変わっていきました。結果論ですが、僕にはすごく合っていると思っています。

以下に半自主管理のメリットを挙げます。

  • 大家力が鍛えられる
  • コストカット
  • 楽しい
  • いざという時の管理会社

順に説明します。

メリット1:大家力が鍛えられる

これが1番のメリットです。

先程説明しましたが、委託管理ですと大家さんは何もする必要がありません。

本業が忙しいサラリーマン大家さんはそのスタイルがあっているのかも知れません。TATERUでアパートたててあとはアプリで家賃の振り込みを確認する、みたいな。

でもそれだと大家としての経験を積み重ねることが出来ないので、レベルアップが期待できません。

自分で業者を回って部屋の紹介をお願いしてみたり、物件紹介のための写真撮影や紹介文を作成したり。

工夫を重ねて、失敗を重ねて、あれこれ悩みながら一つずつ空室を減らしていく。

こういう活動の積み重ねによって大家力が鍛えられていくと信じていますし、半自主管理はその活動を行うのに最適な環境です。

メリット2:コストが抑えられる

管理会社に任せるということは、業務として他の人にやってもらうこと。つまりはその都度お金が掛かります。

規模が大きくなるとお金を払ってアウトソースした方が効率的なんだと思います。さらにお金と同じかそれ以上に時間も大事で、そのことはもちろん理解しています。

しかし、不動産投資の初期段階ではキャッシュアウトを減らすことはとってもとっても大事です。キャッシュイズキング。

突如襲ってくる水漏れ、雨漏りなどの素人では対応できない修繕。物件を買い増すにも頭金を入れないことには融資も出ません。

できるところは自分で対応して、少しでもキャッシュアウトを防ぐための工夫が必要なのではないかと思っています。

ちなみに僕の場合、自分で引っ張ってきた入居者さんは僕が契約まで自分で済ませると仲介手数料はゼロです。大家も入居者さんも払いません。当然と言えば当然ですが。

なので僕がジモティーで捕まえた方には、初期費用の割引、フリーレントなどのサービスを入居者さんに提供することが出来ます。本来管理会社に払うはずであった家賃1ヶ月分を入居者さんに使うことが出来るので、双方ハッピーです。

他にも例えば部屋のリフォームについて、僕の委託している管理会社は一切口を挟みません。

大家が自分で業者をあたったり、得意のジモティーで探したり。もちろんDIYも選択肢の一つです。

メリット3:楽しい

こんな文言で物件を紹介したら問い合わせが増えた。業者とのやりとりをして、リフォームについてアドバイスをもらう。

そういう試行錯誤ってそのまま身になりますよね。先の大家力とも繋がりますが、これまで関わったことのない種類の人々と関わることができていい刺激になります。

単純に楽しい。

これを「楽しい」と思えるかどうかは自主管理ができるかどうかの分岐点かも。

メリット4:本当にヤバい時には泣きつける

上記メリット1〜3は、「自主管理」においても享受できるメリットです。

「半自主管理」におけるメリットとして大きいのは、「いざとなったらプロにお願いできる」状態だという点です。

設備のトラブルやクレームなど、サラリーマンをやってる身としては特に平日の緊急対応に制限があります。

このような時に管理会社にもお願いできる、というのがとても助かります。

あとは、例えば何か警察沙汰になるようなことがあったとして、僕が素人として顔を出して何かが解決するとも思えません。そういう時は管理会社に全面的に頼りたいと思います!

半自主管理のデメリット

半自主管理にはデメリットも当然あると認識しています。ざっと思いつくのが以下の3点でしょうか。

  • 入居者ファーストではない
  • それなりに面倒くさい
  • 結局二度手間になる可能性

順に説明します。

デメリット1:入居者ファーストではない

特に大家歴の浅い段階で顕著な問題ですが、対応がまずいことで関係各所に迷惑をかける事が多いと思います。特に入居者さん。

設備に関する問題の報告を受けたとき、相談する業者が決まっていれば話は早いですが、初期段階だとそうは行きません。

業者を探して…相見積もり取って…でも自分が現地に行けるのは週末に限られていて…。

となると対応が延び延びになってしまい入居者の不満は溜まっていくことでしょう。

自分で取り組む仕事と管理会社に投げる仕事との線引きも曖昧になりがちで、それが対応がまずくなる原因だったりします。

大家力を鍛えたい、というのはこちらの事情なので、入居者さんには関係ありません。

自分が至らない点は素直に謝罪して、1日も早く仕事になれるようにするしかありません。

デメリット2:それなりに面倒くさい

入居者からの連絡は時間を問わず来ます。

設備の不具合や空室に対する問い合わせなどが殆ですが、その全てになるべく早く返してあげる必要があります。

メールの返信だけならいいのですが、内見の日程調整(プライベートの予定も絡む)や書類の作成と郵送など、事務作業が嫌いな人にとっては苦痛だと思います。

僕も事務作業は好きではありません。ですが、作業を細かくしてゲーム感覚で取り組んでみたり、なるべく仕組み化できるように工夫をして何とかこなしています。

デメリット3:二度手間になる可能性

リフォームに自分で取り組んで見たものの、十分なクオリティが出せずに結局業者に発注。

こうなると最初から業者に頼むより自分が手を出した分だけ時間とお金が余計にがかかってしまうことになります。

素人が下手に手を出してしまうことで業者の手間を増やしてしまう可能性すらありますね。

投下した時間が無意味だったと思ってしまうと、自分の無力感と共に自主管理に対するモチベーションが下がってしまいます。

デメリット1と同様、経験値の低い段階で起こりがちですが、この時期に気持ちを保てるかが半自主管理継続の肝です。

アパートの半自主管理の始め方

ここまでを読んで、半自主管理に取り組んでみようかな?と思った方がまずするべきことは、管理会社への打診、相談です。

委託管理契約を結ぶにあたって、大家自身で入居者募集をすることが可能なのか?管理会社と提携している業者以外に工事を依頼することが認めてられない契約になっていないか?等を確認する必要があります。

またそうなっていた場合には、巻き直しが可能かどうか等を交渉する必要も出てきます。

僕は契約を結ぶ段階で「入居者募集やリフォームについて、自身が勝手に動き回ることを認めてほしい」と話して了解をもらっています。

その時の管理料ですが、僕は自分が動くかどうかに関わらず5%を払っています。

管理会社との関係性にもよりますが、僕は「業務を一部担うから減額」とは考えていません。どちらかと言うと勉強してる感覚でいますし、いざという時には丸投げする可能性があるので安心料としての5%のつもりです。

自分と関わりを持つプロたちにはキチンと払って、お互いに気持ちよく働きたいです。

アパートの半自主管理まとめ

部屋

長くなったのでまとめます。

半自主管理は

  • プロのサポートを受けつつ
  • 大家力を高めるために
  • 失敗できる環境を整えること

だと思います。

もちろん、わざと失敗することはあってはなりません。

ですが、失敗しても大丈夫な環境がなければ思い切った行動が取れませんし、失敗から学べることは成功から学ぶことよりも多いのではないかと思っています。

最初は方々に迷惑をかけることになりますが、そこはある程度は目を瞑る(瞑ってもらう)しかありません。

思い切り動けて、失敗した時の傷を最小限に留める環境を整えることができますので、特に初級者大家さん、これから大家さんは「半自主管理」を検討してみてはいかがでしょうか。